両袖清風
Submitted by whenis on Sun, 04/21/2019 - 17:14「両袖清風」。二つの袖に清らかな風。
中国では昔の服装は袖が太くて長いかったのです。その長い袖にポケットがあって、ものを入れることができます。ですから、賄賂を受ける時に、袖に入れます。
日本語にも「袖のした」という言葉がありますが、たもとに隠すようにしてそっと渡すもの、賄賂を表します。中国と日本、賄賂のやり方がいっしょなんですね。
官僚が、両方の袖には清らかな風しかないと言えば、自分が賄賂を贈ったり、賄賂を受け取ったりしたことがない、清廉潔白な人だという自慢になります。「両袖清風」にまつわるこんな故事があります。主人公は明の時代の民族的ヒーローであり、詩人でもある于謙です。
明の時代、宦官王振は自分の私利私欲を満たすために権力を濫用していました。官僚たちが集まる度に、各地から上京した官僚は彼に媚びるため、金銀や宝石などをよく献上しました。しかし、省長に当たる地方の長官を務める于謙は上京する時に、いつも何の土産も持って来ません。彼の同僚は「金銀を捧げ、媚びたりしなくてもいいから、せめてシイタケやハンカチなど、地元の名産品を持って、気持ちだけ示したほうがいいじゃないか」と、彼にアドバイスしました。しかし、于謙はその両袖には清らかな風しか通らないと言い、他の官僚の不正行為を批判しました。