難得糊塗
Submitted by whenis on Mon, 05/20/2019 - 08:15糊塗は、ごまかすこと、バカという意味ですから、「難得糊塗」はバカは得がたし、バカになれという意味です。
これは清の時代の画家、鄭板橋の書です。バカは得がたし「難得糊塗」という4つの大きな字の下に、さらに、「聡明になるのは難しい。糊塗になるのも難しい。聡明から転じて糊塗になるはさらに難しい」などと、小さな字で書き添えました。
聡明になるのは難しい。これはよく分かりますね。でも、「出る杭は打たれる」と言われますから、聡明さはほどほどでいいということでしょうか?
聡明になるのは難しいけど、糊塗になるのも難しい。バカの人生は辛い。人に嘲笑われたり、無視されたりするのは、耐え難いことです。
しかし、聡明な人やバカな人よりは、バカなふりをしている本当の聡明な人こそ、一番難しいです。これは鄭板橋がいう「難得糊塗」、バカは得がたしということです。
これは実は"大智若愚"「大賢(たいけん)は愚なるが如し」と同じような意味です。非常に賢い人は、知識をひけらかさないから、ちょっと見たところでは愚かな人のように見えるのです。
つまり、智恵や知識というものを全部剥ぎ取って、糊塗、無造作な状態になったわけですね。いつでも自然体のままで行動を取る。聡明な人にもバカな人にも支持されるでしょう。