滄海一粟
Submitted by whenis on Fri, 05/31/2019 - 18:49"滄海一粟"(そうかいのいちぞく)。海の中の一粒の粟。広大なものの中のきわめて小さいものという意味で使われます。転じて、宇宙における人間の存在のはかないことのたとえです。 その出典は蘇軾の詩、「前赤壁賦」です。
蘇軾は、中国の宋の時代の有名な文学者です。もう一人の有名な文学者であり、政治家でもある王安石の変法に反対したため、現在の湖北省にある黄州に左遷されました。黄州では、蘇軾は2本の「赤壁賦」を書き上げました。「前赤壁賦」では、蘇軾は "寄蜉蝣于天地,渺沧海之一粟。"と詠みました。
蘇軾は三国志のゆかりの地、赤壁・レッドクリフを訪ね、長江を眺めながら色々思ったんでしょう。「今日、私たちは赤壁を訪ねているが、昔、曹操は奇抜なヒーローだった。今、ヒーローはどこにいるのか?私たちは魚や海老、鹿などと一緒に、まるでカゲロウと同じように天地を彷徨い、広々とした海の中の一粒の粟のようだ。長江の水は尽きがないが、我々の一生はどんなに短いものだろう。」と嘆いたでしょうね。