「小皇帝」の悲しみ-中国青少年身体能力ここ20年で低下の傾向
中国が1985年以降4回にわたり実施している全国青少年体質健康調査の結果、中国の青少年の身体能力が低下傾向にあることが分かった。中国教育部体育衛生・芸術教育司の楊貴仁司長の分析によると、青少年の体力低下の原因は主に▽エレベータや自動車に乗り、力仕事が少ないという現代的生活様式▽教育が進学率重視に偏り、勉強の時間が長く、体育の時間が短くなっている――という2つが挙げられる。 調査結果によると、学生の身長・体重・胸囲など体格面の発育と栄養状態の改善は引き続き上昇カーブを描いているものの、持久力・敏捷性・瞬発力など身体能力資質は下降の一途だった。 7~22才都市部男子の標準体重オーバーと肥満の割合は13・25%に11・39%。肥満が最も顕著なのは北京で、平均5人に1人が肥満児という結果が出た。都市部男子女子では過体重27%・肥満15・9%(男女平均で21・7%)に達し、西洋先進諸国以上に深刻な状況だ。小学生男子の肥満率は1990年代初めのアメリカ白人児童に匹敵する高さである。