嫦娥、月にのぼる・中国の物語
Submitted by whenis on 星期二, 08/18/2009 - 09:11中国では旧暦の八月十五日が中秋節であり、中秋節は春節(旧正月)、端午節と共に、歴史が最も長く、民族の特色を最も有する伝統的な三大祭日とされている。中秋の日は、家族全員が集まり、月餅や果物を食べながら、月を観賞する風習がある。次は中秋節に関する“嫦娥が月にのぼる”というお話である。
嫦娥は月の神で、夫の後羿は勇敢で戦に長けている戦いの神であり、狙ったものには必ず的中するほどの弓の腕をもつ。当時、人間世界には多くの猛禽や猛獣が現れ、人々に災いをもたらしていた。これを知った天帝は、これらの害を取り除くよう後羿に命じた。そこで後羿は、美しい妻の嫦娥を連れて人間世界に来た。後羿は剛胆であり強いことから、地上の多くの獣に簡単に打ち勝つことができた。こうして天帝から与えられた任務は完成しかと思われたとき、予想せぬ事態が発生した。つまり空に十個の太陽が同時に現れたのだ。実はこの十個の太陽はいずれも天帝の息子であり、これら息子は、いたずらするため同時に空に現れたので、強い日差しを受けた大地の温度はあっという間に上昇し、森林や畑は燃え、川が枯れ、人々の焼け死んだあとの屍がいたるところに見られた。