林語堂ー近代作家、思想家、言語学者
Submitted by whenis on 星期六, 12/03/2016 - 08:44翻訳論について、林語堂は「忠実・通順・美」(忠実・読みやすい・美しい)という見解を出しました。翻訳の三基準について彼は次のように語っています。
「翻訳の基準にはおそらく三つの基準が含まれているだろう。ここではその優先順にそって検討していきたい。第一は忠実さの基準、第二は読みやすさの基準、第三は美しさの基準である。この翻訳におけるトリプルスタンダードは、厳復の『翻訳の三つの難しさ』とほぼ合致する。忠実さは『信』、読みやすさは『達』であるが、翻訳を詩歌や戯曲などの芸術作品との関係で考えると、もちろん『雅』だけで全てを代表することはできない。だが、かりに呉汝倫の言うように『簡潔さを損なっても、真実を曲げてはならない』原則を守るのであれば、きわめてエレガントに名付けられた『信達雅』の三基準に、上述の三つの側面が含まれると考えてもかまわない。しかし、『信達雅』の達成は、相当たやすいことではないことを、我々は銘記する必要がある」