曹雪芹はその代表作--紅楼夢
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世紀の半ば、清の乾隆帝の時代に中国の文壇では曹雪芹という偉大な小説家が現れました。「紅楼夢」はその代表作です。
「紅楼夢」は中国古典小説の不朽の名作と言われます。曹雪芹がこのような傑作を書くことができたのは作者自身の才能と文学的修養があったことはもちろん、より大切なことは、作者が裕福な身分から貧窮する境遇に陥るという激しく変化した生活環境から得た人生体験があったからだと言えます。曹雪芹の祖父は清の康熙帝から深く信頼されていたので、幼いころは非常に裕福な生活を送っていましたが、その後、曹家では激しい変化が生じました。北京に転居してからの青年時代の曹雪芹は人情の冷淡さや暖かさ、また世間の不人情など、様様なことを体験しました。晩年には北京の西の郊外に住んでいました。
非常に貧窮する境遇の中で彼は「紅楼夢」の80章を書き上げている途中、病気で無くなりました。
「紅楼夢」の原題は「石頭記」であり、曹雪芹の生前には既に写本として流布していましたが、彼が亡くなった後、高顎という人が引き継ぎあとの40章を書き上げました。
「紅楼夢」は社会生活のすべてを包括する「百科全書」と言われる小説です。その中に触れられた人物は皇帝や貴族、官僚のほか、商人、農民など社会各層に及んでいます。描写の範囲も上流社会の礼儀や往来から庶民の生活まで、社会生活のすべてが含まれています。
「紅楼夢」は人物に対する描写がすばらしく最高レベルに達しています。特に若い女性に対する描写は非常に生き生きとしており、彼女たちの生活に対する希望、愛情への憧れ、それに主人公たちの繊細な感情などが細かく描かれ、あたかも目の前にいるかのように立体的筆致で描かれています。