“东西南北”は本来方向を指します。
(一)“东西”連用すると、最初は不安定の処へあちこち漂うことを指します。
例:杜甫《无家别》诗:“我里百余家,世乱各东西。”
(杜甫の「無家別」という詞:「我が村に百ぐらいの家は戦乱の世にはあちこちへ逃げた。」)
(二)東は主人、西はお客さんを指すことによって、宴席時のお酒を入れるコップを指します。
例:胡朴安《俗语典》东西条:“古有‘玉东西’,乃酒器名。……已谓物曰东西。”
(胡朴安の「俗語典」の東西の解釈:「古代は玉東西があった、それは酒器の名前だ。既に物を東西で言うようになった。」)
(三)物を指す。
例:《翻译老乞大上》:“主人家的东西,休错拿了去。”
(「翻訳老乞大上」:主人様のお宅の物を誤って取ってはいけません!)
“东西”は方向から物の意味を変遷したのは相当の時間がかかりました。たくさんの学者が解釈したが、いま一つの説は納得できると思います。
“东西”は唐の時代都長安の「東市と西市」から転じた説です。昔の長安の「東市と西市」(二つの市場)は商売繁盛な処でした。全国或はシルクロードからの商人達は集まった場所です。