雇用者が被雇用者側に与えるべき社会保障待遇の総称で、中には養老保険、医療保険、失業保険、労災保険(工伤)、生育保険、そして住宅積立金が含まれます。
日本の社保で考えると、医療保険(中国では医疗保险)、年金保険(中国では养老保险)、介護保険(中国では养老保险)、雇用保険(中国では失业保险)、労災保険(中国では工伤保险)がそれにあたります。中国の「生育保险」のカバー範囲は、日本だと健康保険や雇用保険がカバーしていることになります。
「五险一金」にある養老保険、医療保険、失業保険と住宅積立金は、雇用者と被雇用者双方が、被雇用者の給与を基準とする一定の割合の金額を収めます。一方、労災保険と生育保険は雇用者負担になっています。また、2016年3月23日に公布された「第十三次五ヵ年計画要綱」では、生育保険を基本医療保険と合併すると明記されていますので、今後、これは「四险一金」という形にまとまることになるかもしれません。
初期のくくり方では「三险一金」と呼ばれていましたが、2004年に労災保険、2006年に生育保険が実施されたことで、これらを合わせて「五险一金」と呼ぶことになったわけです。これを一部の地方や企業で現在もまだ「三险一金」と呼んでいるのは、労災保険と生育保険が全部雇用者負担だからです。