李鉄拐の物語
皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。
私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。
この八仙人を仙人チームだとすれば、一番最初に仙人になった李鉄拐は、いわゆるリーダーみたいな存在です。 苗字は李。下の名前は玄といいます。鉄拐というのは、鉄の杖という意味で、片方の足が不自由で、鉄の杖を使いますので、その特徴を捉えて、李鉄拐と呼ばれるわけです。
李玄はもともとがっちりとした体格の立派な男性でした。そして、「八仙東遊記」によりますと、頭もよく、20歳ごろには、すでに俗世間の事柄に興味がなく、仙人になる道に没頭していました。
李玄は独自の考えを持っています。「天地は空しい。人生は幻想に過ぎない。財産や名声は心を惑わす毒である。たとえ皇帝となり、世界の富をすべて有したとしても、それは所詮身体以外のものであり、雲のようなものに過ぎない。無から有が始まり、有はまた必ず無になる。人生はまるで夢のようなものだということを悟らずに、ただ自分のこの身体を世に放浪させていいのか!」と、主張しています。
よく考えるとその通りですね。確かに人間にとって、財産や名声はいくらあっても、死ぬ時には手ぶらで死ぬわけですもんね。だから、自分がこの世に存在した証を残すように、みんな一生懸命頑張っています。でも、李玄の夢は、この世で頑張るのではなく、仙人になるというある意味大きな夢です。
李玄は修行を決心し、親族や友人と別れて、静かな山奥で過ごしていました。しかし、独学で悟った道(ダオ)は、あくまでも小さな境地に止まり、自分にはまだ大きな道を得られていないと、ある日、ふと考えました。
誰に尋ねてみたいですね。一番尋ねてみたいのは、もちろん道教の始祖とされる老子です。ある日、老子から、一緒に崋山(今の陝西省にある。険しいことで有名な山)を登らないか?」という、招待状が来ました。
老子はもう仙人ですから、李玄は普通の人間の身分ではなく、魂だけ体から出てきて、魂で行くことにしました。魂は、また自分の身体に戻りますから、抜けている間に、ちゃんと誰かに身体を守ってもらっている必要があります。李玄は出発する前に、魂の抜けた私の身体を見守りなさい。もし、七日間経っても帰ってこなければ身体を焼きなさい」と弟子に言いつけました。
偶然ですが、6日目に、弟子の兄が駆けつけてきて、母が危篤でどうしても会いたいと知らせてきました。弟子は師匠の話を聞いて、まだ6日目だから、師匠の身体を守らなければいけないと思って、一晩残りました。しかし、7日目になっても、師匠がまだ戻ってこない。お昼が過ぎて、とうとう弟子は母の最後に会えないかもと思って、師匠の身体を焼いて、実家に戻りました。
李玄は尊敬する大先輩、老子と会えて、なかなか戻りたくなかったので、帰りが遅くなっ���しまいました。ぎりぎりまで老子と崋山で散策しました。そして、7日目の夕方、ようやく戻ってきました。
魂が戻ったら、自分の身体がなくなったことに気付きました。時間の制限があるので、魂はすぐに身体に入らなければなりません。間に合わない。どうする。たまたま彼の近くに飢え死にしたばかりのホームレスの死体がありました。魂が入って、立ってみると、なんだか、片方の足が不自由な人です。そして、河で自分の新しい容姿をチェックしてみると、肌が黒くて、ジリジリの髭をし、とてもブサイクな顔です。しかも、もちろん、服もボロボロです。
この時に、後ろから手をたたく音がしました。見てみると、老子でした。すると、李玄の魂は慌ててまた抜け出そうとしました。
老子は止めました。「真の道は表だけではなく、表以外から模索すべきだ。修行を重ねれば、必ず仙人になる」と語りました。それを聞いて、李鉄拐また身体を変えることをあきらめました。そして、ついに仙人になりました。
ちなみに、その神通力を発揮する道具は、彼が持っている鉄製の杖です。伝説によりますと、この杖を空に投げると、竜になります。李鉄拐は竜に乗って、空を飛ぶそうです。