『マナス』

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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    『マナス』はキルギス族の英雄叙事詩です。キルギス族は中国の少数民族の中で長い歴史を持つ古い民族の一つで、主として中国西北部の新疆ウイグル自治区に居住しています。叙事詩『マナス』は最初に9世紀から10世紀の間に作られたもので、その後はキルギス族の天才歌手たちによって世世代代にわたって伝承され、全民族の知恵を融合した後に、現在の民族色豊かな作品になったのです。伝説によりますと、『マナス』の創作は詩人のインスピレーションから作られたものではなく、神様から授けられたものだと言うことです。

    チベット民族の叙事詩『ケサル王伝』、モンゴル族の叙事詩『ジャンガル』とはまた違って、『マナス』は一人の英雄を描く物語ではなく、8世の子孫を主人公とする叙事詩です。

   「マナス」はキルギス族伝説の中の著名な英雄であり、リーダーです。また、力、勇敢かつ知恵の象徴だとも言われます。この叙事詩は「マナス」一家子孫8世が他民族の統治者の略奪と踏みにじりに抵抗するため、キルギス族の民衆を指導してそれと戦う歴史を物語っています。この叙事詩は8部からなり、『マナス』はその総称であり、それぞれの部分はいずれも物語っている主人公の名前で名づけられています。叙事詩全体は21万行、合計2000万字あります。

   『マナス』の最大の特色は人物や場面に対する描写だと言えます。叙事詩は主人公「マナス」および彼の子孫のほかに、100あまりの人物を生き生きと描いており、その中には、「マナス」を支持する知恵のある長老や、「マナス」の親しい友人もいます。また、裏切り者、妖怪なども出てきます。また、叙事詩は大規模な戦争場面を描くとき、それぞれの武器についての描写はもちろん、英雄たちが乗っている馬の種類についても30種あまりのことが触れられています。

   民族の民間叙事詩とする『マナス』は、その伝承者と創作者が数万人はいるだろうと見られています。過去1000年あまりの歳月で、世界ではこの叙事詩を完全に詠える人がいなかったのですが、イソフ・ママイという人の出現はこの状態に終止符を打ちました。

   今年85歳であるイソフ・ママイ氏は生涯をかけて『マナス』叙事詩の整理と伝承に携わっており、1940年彼は7晩連続して『マナス』を詠い続けていました。その後、彼の名前が広く知られるようになっています。

   現在、『マナス』叙事詩の中国語版がすでに出版され、そのうちの重要な部分も英語、フランス語、ドイツ語、日本語などに翻訳されました。

   キルギス族の民間文学の代表的な優秀作品とする『マナス』が、キルギス族の間に非常に大きな影響力を持ち、それと同時に国内外の文学史上でも巨大な名声を博していることから、国連は1995年を「マナス年」と指定しました。

 

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