北京自来水博物館
Submitted by whenis on Sun, 06/17/2018 - 06:45自来水。何のことだか分かりますか。自分からやってくる水、水道水のことを中国ではこう呼びます。今週はこの水道にからむ博物館、北京自来水博物館を訪ねてみましょう。
北京市内の水道水の供給は、北京市自来水集団、いわば民間の会社が受け持っています。北京市内には10カ所、郊外には8カ所の給水所があり、このうち東直門にある給水所が最も古く、ここが博物館にもなっています。
歴史はとても新しく、展示コーナーを整えたのが2000年、一般公開が始まったのは2002年です。はじめは北京市自来水集団の従業員教育や企業宣伝の色合いが強かったそうです。本館部分の建物はドイツ人の設計によるもので、これに中国の伝統建築の手法を取り入れています。
さて、水道の歴史は紀元前1000年、古代オリエントからギリシャ時代にさかのぼるそうです。ただ、このころは一般家庭向けではなく、浴場など公共施設向けの給水でした。16世紀末から17世紀にかけ、ロンドンやパリで普及し、アジアに入ってきたのはそのまたずっと後でした。北京では1908年、清の末期に水道事業が始まりました。それまでは井戸水が一般的でしたから、庶民は水道水のことを「洋水」と呼んだそうです。