作者、白居易は中唐の詩人。詩などの総数は約3800首と言われ唐代の詩人の中でも最多なだけあって、季節の一場面を切り取ったような詩も多くあります。今回の詩は、王十八、つまり兄弟・従兄弟の順の十八番目 王全素という友達が、菊の花の季節に故郷に帰ることになった時、それまで過ごした時を懐かしんで、かつて遊んだ仙遊寺に思いを寄せて作った送別の詩です。タイトルの山に帰るの山は故郷のこと。太白峰は長安の都の南方20kmほどの山脈の主峰のひとつで、標高3767mと言いますからかなり高い山です。仙遊寺は長安の郊外のお寺。惆悵は残念に思い嘆く意味です。この詩を読んでいて、春の旅立ちには桜の花が似合うけど、秋の旅立ちには紅葉と菊の花が似合うなぁと思いました。
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