黄粱一夢
皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。
私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。
「黄粱一夢」。字面の意味は、粟のご飯を炊いている間に見た短い夢です。面白い物語が伝わっていますので、ご紹介します。
唐の時代に、盧という貧乏な書生がいました。いつも自分に運が回って来て、財産や地位のすべて手に入れることを夢見ていました。試験を受けるために上京する途中、大雨に遭ったので、旅館に入り、呂翁 という名の道士に合い、意気投合しました。
盧生は自分の貧乏な暮らしを語りながら、いささか悲しくなっているようです。すると、呂翁は陶磁器の枕を出して、「これを使って寝なさい。あなたの夢を叶えてあげるよ!」と言いました。
盧生は半信半疑で、枕に頭を乗せて寝ました。そのとき、店主は二人のために粟のご飯を炊こうと、粟の粒を鍋にかけたところです。
盧生は寝ると、自分はなんだか大きくてきれいな家に入りました。そして、脳裏ではそこが自分の家だと認識しています。数ヵ月後、彼は金持ちの美しい娘と結婚し、ますます多くの財産を持つようになっています。またしばらくすると、 盧生は都に行って科挙試験を受験し、一挙クリアし、かなり高い官職を手に入れました。その後、その官職はどんどん高くなり、宰相まで勤めるようになりました。
家では、彼は妻以外、数人の妾を持ち、みんなきれいでやさしい女性です。五人の息子が生まれ、大人になると、息子たちは出世しました。嫁さんたちは皆、権力を持つ家柄の出で、十数人の聡明な孫が生まれてきました。
こんな大成功をし、家族が繁栄する幸せな人生を楽しんだ後、盧生はふと目が覚めました。その時、店主が炊いている粟のご飯はまだ炊きあがっていません。彼はびっくりして、「まさかさっきは僕の夢だったのか?」と聞きました。
呂翁は笑って、「人生は、はかない夢なのよ!」と語りました。盧生はいろいろ考えましたが、最後に上京して試験を受けることをあきらめ、呂翁と別れて、山に入り、道の修行をしました。
「黄粱一夢」。粟のご飯はまだできていませんが、美しい夢から目が覚めました。美しいものの実現できない幻想を表します。「黄粱一夢」には、「南柯(なんか)一夢」など似た意味の言葉があります。四字熟語に興味がある方、ぜひ色々調べてみてくださいね。