居安思危
皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。
私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。
安にいて危を思う、平安無事の時でも、危機の事を考えている。常に用心を怠らないことを表します。
住居の居なんですが、四字熟語の場合、なぜか「きょ」ではなくて、「こ」と読みます。コアンシキです。
これと似たような意味の言葉ですが、「備えあれば患いなし」という諺がありますね。
実は、この二つはいずれも、「春秋左氏伝」から来ています。原文は、「居安思危、思則有備、有備無患」。読み下しは、「安きにおいて危うきを思い、思えばすなわち備えあり、備えあれば患いなし」となっています。
危険が迫ってくる時には誰でも用心するし、危機感を持ちます。けれども、そうではない時、安泰な時にも常に危機感を持ち、危険に備えることが大切ですよね。つまり、そうじゃなれば、いざ備えを怠ると、危機に陥ってしまう可能性が大ですね。自然災害に限らず、世の中のすべてのことに当てはまります。
「居安思危」について、こんな故事があります。
中国史上最高の名君の一人と称えられる唐太宗は、自らに対する諫言を奨励し、常に自らを厳しく律するように勤めていました。
側近の大臣に、このように話したことがあります。「国を治めることは、病気を治すのと同じだ。完治しても、十分に養生し、ゆっくり休まなければならない。もし、すぐに自らを放任すれば、持病が再発し、今度は救いようがなくなってしまう。今、わが国は平和で安定しており、周りの少数民族は降伏している。これは、昔から珍しいことだ。しかし、私はこのような情況が長く維持できないことを心配し、日に日に用心するようになった。だから、あなたたちの諫言をいっぱい聞かせて欲しい」と語りました。
率直な諫言をすることで有名な魏徴(ぎちょう)は、「国内外が安定していることは、取り立てて喜ぶことではないと思います。陛下が"居安思危"安きにおいて危うきを思うことに大変うれしく存じます」と言いました。
「居安思危」、これは中国でよく知られる四字熟語ですが、「備えあれば患いなし」と合わせて覚えていただければと思います。