八斗之才(はっとのさい)
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私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。
「八斗之才」。斗とは、中国古代の計量単位の一つです。八斗もの才能を持っている。非常に才能があるということです。
斗の他に、石と書いて、コクと呼ぶ計量単位もあります。1石=10斗です。
「八斗の才」の出典と言いますと、南北朝の時代の南朝、宋の有名な詩人、謝霊運にまつわる話です。
謝霊運は名門貴族の出で、祖父の謝玄が東晋を北方異民族の侵入から救った英雄として名高い人です。謝霊運自身は南北朝時代を代表する詩人です。特に彼が書いた山水詩が有名です。「八斗之才」は、彼は三国時代の魏の曹植を褒めたときに使った言葉です。
曹植は曹操の息子で、文学の才能が非常に高い人です。謝霊運は曹植の才能をほめて、「天下の詩の才の全体を一石とすると、八斗は曹植、一斗は自分、残りの一斗を他の詩人が受け持っている」と言いました。
「八斗之才」はこんな故事から来ています。まあ、謝霊運は確かに曹植の才能を非常に評価して尊敬していますが、自分は一斗の才を持っている。しかし、天下の詩人は残りの一斗を分けている。ということを考えますと、謙遜しているような、自慢しているような、どっちか分からなくなってしまいますね。
その時はまだ南北朝ですので、李白とか杜甫たちがまだ生まれていないですからね。非常に才能のある人にだけ謙遜して、他の人には自慢げな態度をとることこそ、名門子弟の気風なのでしょう。