君子之交

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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「君子之交(くんしのこう)」。これは、荘子の言葉、「君子之交淡如水、小人之交甘如醴」、君子の交わりは、淡きこと水の如く、小人の交わりは甘きこと、醴の如し。が出典となっています。

 君子は徳のある者。その反対語に、徳のない者は、小人と言います。君子の交際は淡々としているために親しみは深くなり、小人の交際は甘くて利を離れないために、最初は甘酒のようですが、やがて途絶えてしまうという意味ですね。

 中国語では、「君子之交」という四字熟語以外に、「君子之交淡如水」原文のままで引用されることが多いです。

 「君子の交わりは淡きこと水の如し」に関して、こんな故事があります。

 唐の初期、薛仁貴(せつじんき)という有名な武将がいました。若い頃は貧しく、妻とボロボロの洞窟に住み、畑仕事を生業としていますが、それでも衣食が足りず、近くに住む王茂生夫妻によく助けてもらいました。

 後に、薛仁貴は妻の進めにより、軍に入り、唐太宗と一緒に高句麗に遠征した際、大きな手柄をあげたため、「平遼王」と封ぜられました。

 故郷に錦を飾った薛仁貴に、大勢の人が訪ねてきてプレゼントを贈ろうとしていましたが、薛仁貴はそれらをすべて丁寧に断りました。唯一受け取ったのは、昔近所に住んでいた王茂生が送ってきた二缶の「酒」です。

 しかし、酒が入っているはずの缶を開けると、中にはなんと酒ではなく、水が入っているのです。薛仁貴は茶碗で掬って、ぐいぐい飲みました。

 「以前、貧乏だった私に、王茂生夫妻の助けがなければ、今の私はない。王兄さん、今は貧しいので、酒は贈れないが水を贈ってくれるのは、祝いの気持ちを示すものだ。これこそ、"まさに君子の交わりは淡きこと水の如し"だ」と話しました。

 その後も、薛仁貴一家はずっと王茂生一家と緊密な仲を保っていました。

 「君子之交」に関する故事でした。水は味がしないのですが、人間に必要なもので、いつまでも飽きないもの。一方で、小人の交際を例えた「醴」は、甘酒です。一回嘗めただけで、甘美なのかもしれませんが、いざ喉が渇くと、甘くてベタベタするので、喉の渇きをいやすことができません。

 そもそも真の友情は、常に甘い言葉だとか、ものなどで確かめる必要がありません。友達だから高いものを贈ったり、行動を合わせたりする必要もありません。やはりそれぞれが独立した人として、必要な時に助け合うことが出来ればいいと思いますね。

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